エシカルノマドの指南書

世界放浪からオーストラリアへ移住後、物書きを生業とすべく帰国。自然に沿った暮らしをテーマに発信、今はエシカルとノマドの両立を目指す日々です

祇園に佇む築100年の町家に誕生した、老舗お茶問屋が営むティーサロン「祇園 北川半兵衛」

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Hello all! ナチュラルライフ探求ライター、miaです。

 

祇園 北川半兵衛(ぎおん きたがわはんべえ)」

 

京都宇治の最高級抹茶を取り扱う、1861(文久元)年創業の卸し問屋「北川半兵衛商店」が祇園に今年の1月に誕生させたティーサロンに、某雑誌の取材で行く機会がありました。

 

「本物のお茶の味をもっと知って欲しい」という、シンプルで力強いコンセプトを掲げ、お茶はじめ茶スイーツ、お茶の味がさらに引き立つメニューのみを展開されています。

 

初めてなら、種類の違うお茶とお茶請けで食べ飲み比べできる「お茶詠み」2,800円を(メイン写真)試して欲しい。

こちらのお店の看板メニューのひとつで抹茶、煎茶、ほうじ茶、和烏龍茶、和紅茶の5種と、それぞれに合わせたスイーツなどお茶請けのペアリングが楽しめます。

 

「極論、スイーツは単体で美味しくなくてもいいんですよ。」

 

担当さんの言葉通りあくまで主役はお茶。ペアリング用のスイーツは専属パティシエがお茶とスイーツ、一緒に口に入った瞬間にお茶の旨みが際立つように…そのゴールだけを目指し何度も探求を重ねます。

 

またスイーツ以外で、煎茶とペアリングされるのが、「志ば久」の新漬の樽出ししたばかりの「赤志ば」。コリコリした食感と新漬ならではの若々しい酸味は、煎茶と一緒に口に含むとお互いが良さを引き出しあって、口中で旨みを高め合います。

素人には思いつかない斬新な組み合わせなのに、こんなに美味しい!しかも「赤志ば」は限定品らしいので、出てきたらラッキーですね。

 

「究極、美味しいお茶はそれだけで美味しいから、お茶請けも要らないんですけどね。」とのこと。

(とっても正論ですが、私たちとしてはお茶請けも楽しみなんですー!笑)と心の中で継続の懇願をしていました。

 

ちなみに抹茶、煎茶、ほうじ茶、和烏龍茶、和紅茶のなかで、特に順番に決まりはありませんが、まず旨みを感じやすい「煎茶」をおすすめしているとのことでした。そして、次に淹れ方がほかと違う抹茶がいい、とのこと。

同店のお茶を研究し続けているスタッフさんのアドバイスなので参考まで!

 

そしてこの5種類のお茶ですが、実は元は同じ茶葉からできているんですって。栽培法や前処理、発酵をどこまで進めるかなど、プロセスが少しずつ違うだけで、全く違う香りと味を持つお茶に分かれていくんですね、不思議!

 

なかでも個人的に衝撃だったのが、和烏龍茶と和紅茶。

 

最初私は、和烏龍茶を和紅茶だと間違えたほど、烏龍茶なのに特有の苦みだけでなく風味がふわっとついてくる美味しさでした。が、和紅茶をいただいたときに、その違いが明白に!和紅茶は口に含んだ瞬間、口中にフルーツが弾けたようにフルーティー

私たちが一般的に親しんでいる、烏龍茶と紅茶、という概念がガラリ剥がれ落ちる瞬間でした。

 

あと写真の一番左上のマティーニグラスに注がれているもの、何だと思いますか。

シェイカーを振って作ってくれたこちら、アイス抹茶です。こちらはもうなんというか、角が取れたまろやかさとグッと力強い抹茶の濃厚さが相まって、それはもう美味しい美味しい!デザートのようなワインのような上品な一杯です。

 

日本人のお茶離れが進み、お茶はペットボトルで買うものだとか、急須が家にないとかいう方が増えているらしいと聞き、残念だな、と思います。

 

確かに伝統品は価値が高いし、素晴らしいけれど、結局人々に知って受け入れてもらわないと意味がないですもんね。そこに目を付けた北川半兵衛さんの、伝統と現代を繋ぐ架け橋的な存在のサロンといえるでしょう。

新しい発見とか、日本人としての誇りが生まれるような、そんな貴重な経験ができましたよ。

 

茶問屋だからこその強みを最大限に生かした、確かなクオリティを味わいにぜひ足を運んでみられてはいかがでしょう。

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花街らしく派手な看板はなし。シンプルな暖簾を目指して

 

書き切れなかったけれど、築100年ほどの京町家は内装も和モダンでとっても素敵に。伝統とラグジュアリーが融合した、上質な大人時間を過ごせる空間でした。

 

 「祇園 北川半兵衛」

Add:京都市東山区祇園町南側570‐188

Open:11:00~18:00

Close:不定

HP:

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