エシカルノマドの指南書

世界放浪からオーストラリアへ移住後、物書きを生業とすべく帰国。自然に沿った暮らしをテーマに発信、今はエシカルとノマドの両立を目指す日々です

自然に沿った暮らしのために、まずは調味料を変えてみた【エッセイ】

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どうしてもそういう流れになって、私は最近自然食に興味を持つようになりました。

 

元々、私の母がそういうことを気にかけている人でした(というか子供ができたから認識が変わったのだそう)。

 

なるべく化学肥料や農薬を使わない野菜などを買うとか、農家さんを応援するためにも多少高くても地元の農家から買うとか、「海外に居てもみそ汁くらい飲めるだろうからインスタントでも毎日飲むと良いよ」と、口酸っぱく伝え続けるとか…。

 

その都度その都度、彼女が語りかけてくれたこと、多少面倒でも高くても「体に優しいもの」を、と意識して用意してくれた手料理などが思い出されます。

 

オーストラリア生活の最後の方、私の食生活は本当にひどいものでした。

一日の終わりにたたき売りのごとく安くなっている、(日本人ではない)アジア人がやっている日本料理っぽいテイクアウェイボックスやら、スーパーのレンジでチンするパスタやら、カップラーメンやらと、毎日大量のアルコールを摂取。

 

私は自分の体をまるでゴミの掃きだめのように、雑に扱っていたことを、猛省しています。

 

もちろん自炊する選択肢もありましたが、シェアハウスで苦手な人と鉢合わせるのが嫌で、私が横着をしていたのもあります。

でも、同じ横着をするでも、面倒なら生の野菜や果物でサラダを作るとか、さっと茹でてオリーブオイルと塩で食べるとか、それこそみそ汁くらい作れたに違いありません。

 

私は間違いなく、化学調味料がふんだんに投入された上記の料理を、「美味しい」と選んで買っていたのだなぁ、と。そういった人工的な味付けというのは、口に入れた瞬間に「美味しい」と強く脳に訴える力を持っていますから、致し方ないのですが。苦笑。

 

今考えると驚愕としますが、その頃の私はインスタント上等!状態だったのです。トホ

 

で、意識が変わり始めて、まず変えたことが調味料でした。

これも母が口酸っぱく言っていたことでしたから、そちらに方向転換するのは難しいことではありませんでした。

 

実際、調味料や食材について聞いてみると、彼女はいつも嬉々として答えてくれます。

 

塩:伝統的な製法で作られたもの

砂糖:伝統的な製法で作られた、精製していないもの。甜菜糖など

本みりん:もち米・米麹・本格焼酎だけを使った、伝統関な製法で作られたもの

醤油:大豆・小麦・食塩だけを使った、伝統的な製法「本醸造式」で作られたもの

味噌:遺伝子組み換えでない国産の大豆を使った、伝統的な製法で作られたもの

油:伝統的な圧搾法で製造された「一番搾り」などの良質なもの。オリーブオイルを多用

 

全てに共通しているのは、伝統的な製法で作られた、という点です。

 

知るほどに明らかになる、ごまかしや不誠実の製法に、軽くうなだれつつ、でもそれも消費者である私たちが「より安く大量に」を求めたことに起因している事実も無視できないんですよね。

 

それになにより、伝統的な製法というのは手間暇や時間がかかります。

 

ものによっては数年単位で時間がかかるものも…。そこまでしても結局、売れるのはより多く早く作るために添加物を投入したり機械を使って作った激安のものだとしたら…。

伝統というのはそんな風に少しずつ失われていくのだな、と思います。

 

時を同じくして私はフリーランス という働き方に転向したので、自炊する時間がたっぷりできました。しかも家でできる仕事だからこそ、オンオフのメリハリをきちんとしないことには、生活が丸ごとだらだらと下降の途を辿りますからね。

 

伝統製法で作られた調味料を選び、それらを使って調理をするのに適した食材は、やはり多少高くても同じように丁寧に手入れされ栽培される野菜になります。

 

豪勢なものは作りませんが、ご飯と具沢山のみそ汁、余裕があれば一品程度を選んだ素材で作る。一汁一菜にも満たない、これだけの食事だけで満足するようになりました♡

 

舌や体が、研ぎ澄まされていくような、クリーンになっていくような感覚があります。

なのでたまに、化学調味料や添加物にまみれた(と思われる)ものを食べると、舌が軽く痺れたり、お腹にいつまでも溜まるような重さを感じます。

 

こういう感覚を、私はとても嬉しく大切に思います。

 

より自分の味覚を信じることに繋がるし、逆に自分の体が求めるものを選び指針になったりしますから。

 

すべての変化は、調味料を変えることから始まりました。

 

一度に使う量は少量ですが、毎日ほぼ毎食使うもの。多少高くても、体に優しい良質のものを選び続けたいな、と思っています。

不自然なものを体に取り入れない、ということがより自然に近づく生き方につながる気がしているからです。