エシカルノマドの指南書

世界放浪からオーストラリアへ移住後、物書きを生業とすべく帰国。自然に沿った暮らしをテーマに発信、今はエシカルとノマドの両立を目指す日々です

理想の世界、サステナブルが特別じゃなくなる日まで【エッセイ】

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自然に沿った暮らしを発信するなかで、何度も行き詰りを感じてきました。

 

いくら私ひとりが「サステナブルエシカル、天然素材」と言ったところで、いつまでたってもスーパーやコンビニでは添加物モリモリの激安商品が並ぶ。

それはすなわち、そっちを選ぶ人が圧倒的に多いからだ。

 

誰を責めるでもない、今までがそういう時代だったのだから仕方ない。

そう思うのですが、やはり心の中ではもやっとすることもあります。

 

私は、求められていないことをしているのかも。だって私が伝えたいことは、世間では求められていない。そう思わされるからです。

 

もちろん数年前に比べてスーパーにはオーガニック野菜や伝統調味料、グルテンフリー商品が占める面積は増えつつあり、実は心のなかでいちいち喜んでいるのですが。笑

 

それでも、まだまだできるはず。

 

私の理想の世界は、全国展開するチェーンスーパーで量り売りがあり、プラスチックに包まれない裸の野菜が買え、少なくともスーパーのお惣菜は添加物が入っていない(数日以内に食べるのになぜ入れる?)、オーガニック野菜の割合が多い、本物の調味料が並ぶ、そんな世界です。

 

シンプルで上質な世界。

 

そんなに難しいことなのでしょうか。

 

オーガニックは特別なもの?量り売りも特別なもの?

 

それ専門のスーパーができるのは素晴らしいことですが、むやみに評価し過ぎるのも私にとっては違和感なのです。トレンド感が抜けないから、意識高い系の経済的に豊かな人しか通わない。そういう道筋(前提)を作ってしまうから、消費者もそれらを特別扱いするようになる。

 

もちろんそういう洗練されたスーパーやショップには、役割があるのも理解できます。

 

でもね、もし本当に自然に優しい選択を浸透させるのが目的であれば、慣行農業の野菜でも添加物まみれのナッツでも、早々に量り売りにすればいいと思う。消費者はタッパーや紙袋を持参する。するとまず、過剰なプラスチックを減らすことができます。

 

商品を無農薬、無添加で販売することが今はまだ難しいなら、まず売り方から変えてみる。デリの無添加は、スーパーのキッチンで作っているものならできるのでは?「そう簡単じゃない」と言われるでしょうが、それでも「最低限の量」にはできるはず。

 

サステナブルやオーガニックの概念も商品も大好きだけど、特別じゃない。

当たり前に誰の手にも渡るような優しい世界…。そうなると図らずも値段も下がるはずです。

 

「Money Voting」。買い物は投票だ、と言われます。どんな世界を創りたいのか、そのためにどこにお金を使うのか。私も改めて考えていきたいです。

 

愛のある、本質を知っている生産者さんに、私は投票したいと思います。