エシカルノマドの指南書

世界放浪からオーストラリアへ移住後、物書きを生業とすべく帰国。自然に沿った暮らしをテーマに発信、今はエシカルとノマドの両立を目指す日々です

「自分らしさ」に惑わされなくていい【エッセイ】

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「自分らしく生きよう!」「自分らしさ全開で生きるほど開ける」とか…最近よく耳にします。
 
私は正直、自分らしさをイマイチ掴み切れていません。
自分のコアの部分(軸)は、ぶれることはめったにありませんが、かといってじゃあ、私らしさを一言で、などと言われても困ってしまう。
 
というのも、「自分らしさ」というのはコロコロ変わるから、です!
 
例えば、バックパックひとつで世界を放浪していたとき、優先順位の上位はいつも身軽であることとタフさ、でした。
 
旅での移動記録は、最長72時間。睡眠時間は寝られるときで毎日違ったりするし、移動時の食べ物は軽くてかさ張らないウエハースやビスケット。それでもいつも辿り着く先々では、心が焼けるような瞬間や景色に出会ったりして、ハードな旅路の全てがチャラになる、そんな日々でした。
 
そんな旅人の私は、とっても私らしかった。
 
かと思えば、パーティーばかりしていた時期は 水曜日くらいからもう頭の中は、クラブミュージックが流れ始め、週末にかけて盛り上がりを見せる。お酒を飲むので、食も細く、食生活はボロボロでした。日本でも海外でもとにかく飲んで踊るのが大好きで、人を巻き込んで全力で遊ぶ日々でした。
 
そんなパーティーガールの私は、とっても私らしかった。
 
かと思えば自分のキャリアを確立したく、やっと叶えたかったフリーランスのライターになりました。作業は家でひとりで黙々とこなす、ある意味孤独な仕事だと思う。でもパソコンに向き合い、言葉と戯れる時間は私を丸ごと癒してくれます。
 
そんなフリーランスな私は、とっても私らしい。
 
そして今、自然に沿った生き方に興味を持ち始めています。
特に自然の恵みを体内に取り込む、“食”について大変興味があります。できるだけ旬のもので、近郊で採れたもので、生産者の顔が見えるものを、時間を掛けて選びます。調味料は伝統製法にこだわり、既製品はパッケージを裏返して読んでしまう始末。面倒くさい、そんな人にはならないだろう、と思った自分に今なっています。笑。
 
丁寧に、心地よく、生きたい。体も心も健やかにいたい。
 
そんな自然志向な私は、でもとっても私らしい。
 
私ひとりを例に出してみても、こんなに変化があったとは!ということに気づいて愕然としました。旅人時代の自分から、ましてやパーティー時代の私から今の私を見たら、それはもう別人かと思うような変貌っぷりで。
 
でも、どのすべても、その渦中にあるときはとーっても自分らしかったと思えます。
 
ひとつだけ言えることは、その瞬間瞬間の100%に想いを注いできた、ということ。
 
それが旅であっても、パーティーであっても、はたまた恋愛であっても、家族であっても…。とにかく自分の目の前にある対象が、今あなたの選ぶ生きたい自分、なのだと思います。それを全力で生きたとき、あなたらしさが全開になり、やり遂げるときっと次の対象が表れる、そんな気がしています。
 
だから「自分らしく生きなきゃ」とか、気負わなくていいんだな、てことです。
 
せっかくなら、無限の可能性と共にいくつもの“自分らしさ”を生きたいし、ひとつに限定するなんてもったいなーい!そう思った私の心のつぶやき、でした。