今回はご縁をいただき、「嵐山 祐斎亭(※以下祐斎亭)」を訪れました。
「祐斎亭」は日本発祥の「夢こうろ染」の染色アートギャラリーで、その染色家奥田祐斎先生のアトリエ工房も兼ねています。
フォトジェニックな散歩の先に
阪急「嵐山駅」から渡月橋を渡り、左手に大堰川を見ながら歩くこと10分ほど。
その10分ほどの遊歩道は、どこを切り取っても絵になるフォトジェニックさ!翡翠色の水を湛えた川や、奥行きを感じる緑生い茂る森、私が訪れた際には目力の強い猫と遭遇したり…。
道なりに歩いていると、右手に上り階段が見えてきます。そちらが入口で、サインが出ているのできっとわかるはず。
悠久のときの流れを感じる
平安時代から王族貴族にしか立ち入ることができなかった、風光明媚な川辺に佇む「祐斎亭」は2020年より一般公開されるようになりました。
かつて、貴族が舟を浮かべて遊んだという大堰川を借景とした、築150年を誇る建造物。お庭は「瑠璃光院」を手掛けた庭師、松浦剛氏によるもの。
また離れには、ノーベル文学賞を受賞した川端康成が執筆したというお部屋も残っています。
静けさの中、鳥のさえずりや川の流れる音、葉がカサカサと揺れる音などを聞いていると、まるでときがとまったような不思議な気分になります。
「川端康成の部屋」でリフレクション
「瑠璃光院」を彷彿させるリフレクションテーブルも、庭師が同じということで納得です。美しくミラーが映えるように計算されているのでしょうか。
お抹茶やお茶菓子を「まる窓の部屋」で
一般公開は予約のみ受け付けだそう。
通常シーズンの見学プランには、お茶とお茶菓子のサービスが。
フォトジェニックなまる窓越しに緑を眺めながら、お抹茶をいただけるなんて。なんとも優雅な気分になりますよ。
「夢こうろ染」の真髄に触れる
太陽光で二色に変化し「幻の染」と呼ばれる「黄櫨染」を、現代版にアレンジしたものが「夢こうろ染」と名付けられました。
天皇だけが着用できる第一礼服、「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」が元になった染色技法で、染色家・奥田祐斎先生が特別に研究できる機会を得て知られていなかった技術を探求し、アレンジして現代に再現したのです。
ギャラリーでは実際に光を当てて、色が変化する「夢こうろ染」を見学したり、染め物の商品を購入したり、実際に祐斎先生にお話しをお伺いすることもできます。
気さくな祐斎先生とお話も
「夢こうろ染」を編み出した、唯一の存在であることから「人間国宝級」とも称される祐斎先生はとってもフレンドリー。
おしゃべり好きな先生は、見学に来たゲストと過ごす時間を楽しまれているようにも見えました。
せっかくの機会なので色々質問してみては?「ここだけの話」も聞けるかもしれませんよ。
見学は申し込みがマスト
今は見学するには事前の予約が必須です。
通常シーズンと紅葉シーズンに分かれているので、予定を組む際にはこちらのページをチェックしてからどうぞ。
※掲載内容は訪問時の情報です。ご利用の際は最新の情報を事前にご確認ください。
※訪問日、2021/7/13
「嵐山 祐斎亭」
HP: