エシカルノマドの指南書

世界放浪からオーストラリアへ移住後、物書きを生業とすべく帰国。自然に沿った暮らしをテーマに発信、今はエシカルとノマドの両立を目指す日々です

世界で一番美しい場所【エッセイ】

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4年以上の歳月を掛けて、地球をぷらぷらと歩いてきました。

 

ここではないどこかに、見たこともない、圧倒的な美しさや壮大さを求めて。外へ外へと向けた視点や意識、ただただ外へ。これほど広い世界に生まれたんだから、見なきゃ損、経験できること、全てしたい!私の小さな体は、そんな想いでいっぱいでした。

 

その時点で私が望んでいたものは、全て体験できたと思います。

 

そして今、公私ともに、自分の内側へ向けた探求がはじまっています。

その確かにきっかけはあったに違いないのですが、もう自然の流れとしか言えない。

もともと自分の「好き」に従って、ダイナミックに動き回ってきた人生ですが、今はその「好き」をさらに掘り下げて見ている気がします。

 

今までが動なら、今は静。内へ内へ、自分の考えや感情の内面だけでなく、自分のルーツや背景への興味も膨らみつつあり、世界よりも日本。そして故郷である大阪や、憧れの京都の深い部分まで…、どんどん内へ。

 

そんな私に寄り添うように、桜が今満開の時期を迎えています。

 

街を包む春の香りは、どれほど緻密に計算され研究を重ねて作られた、高級な香水よりもずっと、人の心を動かします。

 

細胞という細胞がふわっと軽くなる、じわじわと満ちてくる、気分が高みに押し上げられる感覚。それは、どれほどテクノロジーが発達したって、私たちがやっぱり自然の一部だから、にほかならない気がします。同じように自然の芽吹きに、体中の細胞が悦んでいるのです、きっと。

儚く透き通るような淡いピンクの花々を、全力で咲かせるその木々に漲る力強さ。その美しさが街を、島国全体を駆け抜けていく刹那。それも、音を立てずとても静かに。

 

世界広しといえど、これほど美しい場所が、世界にあったでしょうか。この時期の日本ほど、人の心に染み入り高揚させるものをもつ、そんな場所が。

 

もしかしたらでも、それは代々受け継いできた日本人のDNAがそうさせるのかもしれません。でもそうだとしたら、それはやっぱり日本人として生まれた、ありがたい特権だなぁとしみじみ…!

 

世界で一番美しい場所、それは桜の時期の日本。

 

今の私にとっては。

 

今日も快晴、桜日和続いていますね。散る前に、まだもう少しその美しさを楽しませてもらいます。