4年以上の歳月を掛けて、地球をぷらぷらと歩いてきました。
ここではないどこかに、見たこともない、圧倒的な美しさや壮大さを求めて。外へ外へと向けた視点や意識、ただただ外へ。これほど広い世界に生まれたんだから、見なきゃ損、経験できること、全てしたい!私の小さな体は、そんな想いでいっぱいでした。
その時点で私が望んでいたものは、全て体験できたと思います。
そして今、公私ともに、自分の内側へ向けた探求がはじまっています。
その確かにきっかけはあったに違いないのですが、もう自然の流れとしか言えない。
もともと自分の「好き」に従って、ダイナミックに動き回ってきた人生ですが、今はその「好き」をさらに掘り下げて見ている気がします。
今までが動なら、今は静。内へ内へ、自分の考えや感情の内面だけでなく、自分のルーツや背景への興味も膨らみつつあり、世界よりも日本。そして故郷である大阪や、憧れの京都の深い部分まで…、どんどん内へ。
そんな私に寄り添うように、桜が今満開の時期を迎えています。
街を包む春の香りは、どれほど緻密に計算され研究を重ねて作られた、高級な香水よりもずっと、人の心を動かします。
細胞という細胞がふわっと軽くなる、じわじわと満ちてくる、気分が高みに押し上げられる感覚。それは、どれほどテクノロジーが発達したって、私たちがやっぱり自然の一部だから、にほかならない気がします。同じように自然の芽吹きに、体中の細胞が悦んでいるのです、きっと。
儚く透き通るような淡いピンクの花々を、全力で咲かせるその木々に漲る力強さ。その美しさが街を、島国全体を駆け抜けていく刹那。それも、音を立てずとても静かに。
世界広しといえど、これほど美しい場所が、世界にあったでしょうか。この時期の日本ほど、人の心に染み入り高揚させるものをもつ、そんな場所が。
もしかしたらでも、それは代々受け継いできた日本人のDNAがそうさせるのかもしれません。でもそうだとしたら、それはやっぱり日本人として生まれた、ありがたい特権だなぁとしみじみ…!
世界で一番美しい場所、それは桜の時期の日本。
今の私にとっては。
今日も快晴、桜日和続いていますね。散る前に、まだもう少しその美しさを楽しませてもらいます。