環境問題を考えるなら、まずは出すごみを減らせたらいい。
それはもちろん理想だけど、スーパーで購入するプラスチックで個別に包まれた商品を前に諦めのため息が漏れてしまう、そんな経験ありませんか。
日本は世界でもトップクラス(いや恐らく一番だと思う!)で包装に力を入れている国であり、大量生産・大量消費が主流のためハードルが高いのは否めませんね。
さて今回は、友人から紹介された方がその関係者のため知ることになった、ある映画を見てきました。
白鳥哲監督という方の作品です。
今回の映画は白鳥監督が推進する「地球蘇生プロジェクト」の取り組みの一環だとか。
この映画は40年も世界を潜り続けた、あるダイバーが見続けた海の異変を語るところから始まります。
ゼロウェイストに興味がある人なら知っているであろう徳島の上勝町の取り組みや、個別の取り組みを本人たちの語りで紹介してくれます。
良かったのが、すべて国内の取り組みだということ。
先ほども触れましたがとにかく日本でのゼロウェイストは、ハードルが高い。
なので同じ背景であってもここまでできるのだ、と具体的な例を見て知ることができたのは良かった。より多くの人にとって、ゼロウェイストを身近に感じることができると思います。説得力もありますよね。
冒頭では「魚より多いごみ」が浮遊する映像が続き、少し気が滅入りそうになります。
でも知らない人がいるのが現状だとしたら、より多くの人が知る可能性があるのは希望だとも、その映画は教えてくれました。
ただやはり映画で取り上げられるくらいなので、誰も意識がものすごく高い!
これをどう受け取り、どう感じるかは見る人に委ねられているなぁと感じます。
私は全編を通して概ね納得し前向きに観ましたが、ある方が使った「飛び恥」「乗り恥」という表現には少し違和感を覚えました。
もちろん飛行機や車に乗ることで環境に負担になる…という正論なのですが、そうはいっても…と思うわけです。
その技術はもう世に生まれているし、私は世界を飛び回りたい。そこに純粋にワクワクを感じますから。
そこで、この映画を通して感じた結論に結びつきます。
やはりバランスなのだなぁと。
例えば個人で頑張ってごみの分別をしても、回収された先でごっちゃになっていたら虚無感を感じます。
逆に自治体がどれほど頑張っても、個人にその意識がなければその目をかいくぐって手抜きをする人が出てくるでしょう。
自分ひとりでできないところを自治体が助ける、自治体の手の届かないところは住民に委ねるといった信頼関係や仕組み作りが、両者のバランスがやっぱり重要です。
自治体、そして企業もそうですね。
飛行機だって、環境負荷の少ない取り組みを採用する航空会社を選ぶなど、消費者と企業が協力し合えば、文明を生かしつつ地球思いの生き方は可能なはず。
また私は、マンションでのひとり暮らしなのでコンポストは後回しになってしまうのですが、自治体がサポートしてくれたら嬉しいなと思っていました。
上勝町の取り組みは素晴らしいですが、すぐ引っ越すわけにもいきません。できれば上勝町モデルを真似する自治体が増えれば理想だなと考えています。
あとこれは個人的な気付きですが、
個人でどれほど頑張っても目の前でごみを捨てる人を見た瞬間に、感情がモヤッとしたりするとき。だからといって外に働き掛けても人は変わらない。変わるのはいつだって自分ですから。
自分が「ねばべき」でやっている限り、目の前でごみを捨てられると心が揺れる。でも喜びで自分のための行為なら、それに左右されず粛々と続けることができる。
私はやっぱり後者を目指したいなぁ、と感じていました。
ゼロウェイストは今年に入ってライティングに新たに加わったテーマなので、このタイミングでこの映画に出会えて完璧でした!
11日まではまだ大阪の十三で見ることができますよ!
もちろんオンデマンドでも鑑賞できます。
取り組みも興味深いものが多いので、もしピンと来たらぜひ参照にされてくださいね。