今さらながら告白すると、私はYouTubeをあなどっていました。
今どきの小さな子供が将来の夢を「YouTubeになりたい!」などという世の中は、何かがおかしいと思っていました。苦笑。
どこの誰かもわからないような個人単位で発信しても、テレビや雑誌のプロの表現や発信力に叶うわけがない、と。星の数ほどいる人々の日常を垂れ流し、それを知ることでいったい何になるのだ、と。
ですが最近、情報のリサーチも兼ねてYouTubeを見出した私は、その面白さに心掴まれてしまったというわけです。苦笑。
驚くのは特にそのクオリティの高さ!
そりゃあ確かに、素人が作ったぽいなと明らかにわかるものもありますが、それは想定内。それ以上に撮影、編集、音声、全ての要素においてプロ顔負けのチャンネルも少なくありません。
今や、生き方も仕事もファッションもマインドも暮らし方も、住んでいる環境でさえもコンテンツになる時代。
「この情報は役に立つかな」などと頭で考えなくても、そこには必ず「誰かの知りたい情報」や「誰かが垣間見たい日常」があるのだということが実感を伴って理解できたのでした。
料理レシピ動画や音フェチのためのAMSRから、CAの日常や旅ブログ、ファッションアドバイス、赤ちゃんやペットとの暮らしまで、テーマはそれはもう多岐に渡ります。その無限の可能性といったら…!
魅力的なコンテンツは、その人の世界観に視聴者をすっと連れて行ってくれる引力を持っているように思います。そして今や自分が自分であることが仕事になる時代なのだということにもまた、驚きを隠せません…。
私はもともと「世界中どこでも生きていけるように」とフリーランスライターを目指しました。
フリーランスは大前提で、その中でライティングが一番すんなりとできそうだったからです、正直に申し上げると。苦笑。もちろん今でも「書くこと」が大好きで、それを生業にできることは幸せに間違いありません。
ただ、「今ある仕事の中から選ぶ」必要はもうないのだ、と気が付いてしまったのです。
今まではクリエイティブな仕事は、その道を究めるために努力するというイメ―ジがあったし、雑誌広告のディレクターをしていた頃はまさにそんな感じでした。
写真ならカメラマン、デザインはデザイナー、文章はライター、そしてビジュアルはモデル。そんな風に専門分野、というものがあったのです。その中で自分の分野の腕を磨いていく、みたいな…。
でも今のクリエイターたちは、その壁を軽々と飛び越えています。
もちろんある程度稼げる人たちは、編集は別の誰かに依頼していることもあるでしょう。
でも例えば最近私が、夢中で最初までさかのぼって楽しませてもらったチャンネルのYouTuberさん。
見た目こそハタチそこそこの可愛い女の子ですが、今の段階ではすべて自分で手掛けているようで、撮影にはなんとドローンまで登場する本格派なのです。
最初はあまりに自然に編集されているため気付きませんでしたが、あまりに映像が美しくて見入っていると「あれ、今のどうやって撮ったんだ?」とふと我に返りよく見てみると彼女の手にはしっかりとドローンのリモコンが遠目にも写っていたのでした。
それ以外でも、そういうカット割りや撮影方法はどこで学んだのだ、ともう驚きの連続です。彼女は大学にも行っていないし、だからもうそういうことを「学んで努力して生かす」という時代は本当に終わったのだな、と実感しています。
ちなみに彼女はポッドキャストや本の出版、商品開発なども手掛けていて、まさに今の時代を体現しているような、可能性の塊だなぁと感心しています。
そんなに簡単でよくって、そんなに自由でいいのだと、彼女のようなクリエイターたちは見せてくれているようです。そしてもはやそれが主流になりつつあるのだということ、私はその流れの外にいたことにも愕然としました。
しかも今までメディアは1つの発信物からより多くの人に伝わることが大切だったし、今ももちろん発信する以上そういう部分はあるだろうけれど、より1対1というか「本当に必要な人と繋がるツール」としての発信でもあるように思います。だってそれが個人で発信する意味のひとつでもあると思うから。
もちろんYouTuberだけが、人々の働き方の全てではありません。
ちゃんと企業で定時勤務をしている人がやはりまだ大半かもしれません。でも!その中でも人々のあり方は変わってきているだろうし、副業などで自分の可能性を最大限に生きている人々も多いようです。
共通して言えるのは、今までの「こうあるべき」「こうして当然」という今までの在り方はとっとと手放して、自分らしく生きる中で見える可能性を手繰り寄せて次に繋げること。そんな風に感じています。
それにしても時代の変化が速いなぁ、時間が経つのも早いですが…。苦笑。アップデートすることの大切さを痛感するのでした。